ここから一時専門的なお話(遺伝子のエピジェネティックな制御異常について)になります。
難しい内容ですが、最後にまとめますから雰囲気をつかんでいただけたらと思います。ご専門の方は馴染みもあるかと思いますが、最近の研究は本当に進んできていますよね。
私も今年になって鶴見大学の花田教授より詳しく教えていただき、ようやくやっと理解した次第です。
新しい研究をされている先生からの教えは、現場の私たちに大きな可能性を与えてくれます。
そして皆さまのお役に立てる具体的な方法を考えご提供するのが、私たちの役目です。
遺伝子のエピジェネティックな制御異常について
歯周病のライフコースヘルスケアが必要であることを示す一つの理由は直接的な動脈硬化への影響ですが、もう一つの理由は、遺伝子のエピジェネティックな制御異常の存在です。エピジェネティックとは、塩基配列の変化を伴わずに、染色体DNAの後天的な修飾により遺伝子発現が抑制されることをいいます。ざっくり言ってしまうと、環境によって変わってくるということです。
DNAの特定の位置にある塩基(シトシン)にメチル基が付加され5-メチルシトシンになると、特定の遺伝子の発現が強力に抑制されることが知られています。
正常細胞とがん細胞のDNAの違いは遺伝子の欠失や変異だと考えられてきましたが、遺伝子の欠失や変異がない場合でも、メチル基のDNAへの付加状態の違いでがん細胞が生じることが明らかにされてきました。このDNAのメチル化の引き金を引くのがIL-6、TNF-αをはじめ歯周病によって産生される炎症性サイトカインです。これはがんに限ったことではなく、糖尿病などの生活習慣病についても同様なのです。